2012年8月27日月曜日

肩こりのメカニズム2~正體通信⑤~

今回のテーマは前回に引き続き「肩こり」です。
今回は、幾重にも重なって頚や肩を支えている大小さまざまな筋肉についてのお話です。
肩凝りと言っても、実際は背中・肩・首、そして腕の筋肉まで関係してきます。
そこで代表的な筋肉を紹介致します。

表面の筋肉【表層筋肉群】

①後頭筋(こうとうきん)

後頭前頭筋の一部で、過度な緊張が続くと緊張性の頭痛を引き起こします。

②胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)

顔を反対側の斜め上に向けます。斜頚の原因筋になります。
首の中で一番目立つこの筋肉の凝りでフェイスラインが変わることもあります.

③僧帽筋(そうぼうきん)
この筋肉は 「上部」 「中部」 「下部」 に分かれています。

肩こりを引き起こす筋肉として有名で,英語では肩凝りを「僧帽筋の筋肉痛Trapezius Myalgia)」と呼びます。

④広背筋(こうはいきん)

腰椎・骨盤から起こり、腕(上腕骨上部)に付着するとっても大きな筋肉です。
懸垂のときの様に腕を体に近づけたり、腕を背中に回したりするときに働きます。



奥にある筋肉【深層筋肉群】

⑤頭半棘筋(とうはんきょくきん)

この筋肉は、うつむき姿勢(頭が前傾)したときに頭を支える働きをします。パソコンやデスクワークなどで酷使され、ストレートネックや頭痛などの原因筋になります。

⑥頭板状筋(とうばんじょうきん)

この筋肉は首を伸展、同側に頭を回旋させます。

⑦肩甲挙筋(けんこうきょきん)

僧帽筋の奥に位置している筋肉で、首肩の深い凝りや首痛、頭痛、ストレートネックを引き起こす原因筋です。その名の通り、肩甲骨をつり挙げる働きをしているので、重い物を持ったり、長時間パソコンなどで手を使っているときなど疲労してきます。
肩をすくめる時に使う。寒い時にも収縮!

⑧小菱形筋(しょうりょうけいきん)、⑨大菱形筋(だいりょうけいきん)

肩甲骨を挙上、内転、下方回旋します。肩甲骨の間が痛くなったり、凝りを感じる原因となる筋肉です。胸を張って「気をつけ」の時や自分の方に物を引っ張る時に使います。

⑩脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

この筋肉は複数の筋肉群から成り立っています。大きく『腸肋筋、最長筋、棘筋』の3グループに分類されています。作用は主に、脊柱の伸展です。寝ている時以外は常に重力に対し緊張している筋肉です。
 
 
これらは肩こりの原因となる代表的な筋肉ですが、実際には腕の筋肉や脚のゆがみなども関係し、これらの筋肉の緊張・血行不良または骨格のゆがみなど原因で肩こり肩痛になります。